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2018-08

水の音、葉叢の虹 - 2018.08.12 Sun


長い夏の第二章がはじまった。
ラジオでは“危険な暑さなので、エアコンを適切に使用してください”と云う。
エアコンの無い自室では窓を開け放ち、扇風機がフル回転している。

朝からの熱波、布団とキュウリをベランダに干し、
新しいビーサンを買いに。
元居候先のかあちゃん運転で、夏休みの子ども達(オトとコウ)と葉山は長柄の「げんべい」へ。
あれこれ迷い いままで履いたことのない色あわせを選び、車は近くの森戸川へ向かった。

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        10度は違うかな。 涼しい風と青いにおい 土はやわらかく
        川の流れは心好く 油蝉ミンミン蝉ひぐらしとうぐいす その他鳥風草木の重奏
        オトとコウは 夢中になってちいさな魚と海老を獲っている。
      fuji88c.jpg
     仕舞いにはふたりとも川の深いところへ入り、へそまで濡らし、
     なんだかんだ云って とても楽しそう。
        
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         夕方、空の色が不思議な感じで、部屋中がセピア色に染まる。
『羊と鋼の森』(宮下奈都/文藝春秋)を読み返しながら、物語のなかの調律師、柳さんに倣い
手で割った半熟ゆで卵に粗塩とオリーヴオイルをかけて頬張る。
もうひとりの調律師、板鳥さんは原民喜の言葉を引いて理想とする音を表していると。
 “明るく静かに澄んでいて懐かしい文体、
 少しは甘えているようでありながら、きびしく深いものを湛えている文体、
 夢のように美しいが現実のようにたしかな文体”

暑さにかまけてぐずぐずと過ごす夏休みは これで お仕舞い。
描きたい絵が 掴まえた色が 降り積もる言葉が かたちが 背中のうしろで待っている。

夏味 - 2018.07.30 Mon

この7月も 二階堂のAtelier Kikaで
ガラス作家アキノヨーコさんとの作品展をさせていただいた。
       
Patisserie Rの玲子さんが作る、会期中特製のお菓子は
イタリアの“カッサータ”、アキノさんのうつわにメレンゲの白鳥が。

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玲子さん曰く、「白鳥はふじちゃん(わたくし)のイメージ」だそうで、???が頭上湖面にぷかぷか浮かぶ。

すでに汗だくの朝、
電話に出ると、お祭りの笛太鼓が大音量で鳴り、「いま 北鎌」と東京の友人から。
北鎌倉の御菓子司こまき の水羊羮を手土産に作品展に来てくれた。

『作家のおやつ』(コロナ・ブックス編集部/平凡社)のなかに

この店の菓子“苔清水”のすがたが美しく、あこがれていた。
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川端康成は「こまき」の水羊羮をことのほか好んだと云う。
瑞々しくきりりと角の立った薄墨色は、涼やかな風をまとい
舌のうえでとけていく。
さらりとした甘味がのどを通り腑に落ちる。

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この夏初、市場で求めた水茄子を糠漬けに。
糠床から出したての鮮やかな茄子紺は、あっと云う間にその彩度を失ってしまう。急げ。
かじるとパリッと皮が弾けて甘みが広がる。
練り芥子をつけて噛みしめる。

Atelier Kikaの麻里子さんはお料理のセンスも絶妙で、
食いしん坊のわたくしの顔を見ると、「これ、食べる?」と いろいろ ちょこちょこ出してくれる。
トマトとルビーグレープフルーツのサラダ、ひじきとアボカドのサラダ、いただきもののチョコパン、
(お弁当のおかずにと)ひじきの煮物、幼なじみの神主さんが持ってきたお供え餅(夏祭り用?)、“クルミッ子”の切り落とし、スイカ、冬瓜、ベルグフェルドのパン…

去年の搬入時、おにぎりを頬張っていると、セロリの味噌汁を出してくれて、初めての味。
今では自分でも作る定番の具になった。

鰹のサクを厚く切り分け、半分はお刺身で晩酌のお伴に、もう半分は
頂いた冬瓜と玉葱人参セロリなどと一緒にスープ煮にして。
「はい」と手渡された、かぼちゃサラダと朝食にいただく。
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夏生まれの所為か、花火やお祭り、夏に美味しい夏にしか食べられないものが特に好きだ。

頂いたアレコレで気合いを入れ、猛暑の日盛り、由比ヶ浜から二階堂まで歩いて通った。

降り立つ音 光り放つ色 - 2018.06.16 Sat

満月を過ぎた雨降り、富良野の伯母から家庭菜園で育てたアスパラガスや葉物類、
チョコレートやチーズの固まりなど、こまごまと包まれて届く。
早速、台所に立ち
ほぼアスパラガスのパスタやら ただただ焼いただけ 料理とも云えない皿が並ぶ。

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雨の止み間、すぐ近くで鳴く うぐいすの大音声におどろく。

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『月ノ光』と云う名の作品集、小川紀美代さん演奏のバンドネオンを聴きながらの作業。
湿気った空気を軽くする、透きとおった音階は空へと通じる梯子
音の持つ 静かな熱とは バンドネオン特有のものなのか、
奏者を通しての温度なのか?
独学で奏でる音のはじまり、その楽器を選んだはじめの一歩とは、なんだろう?

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光りを内包するような色を求めて、手探りでガラス絵をはじめた。
油絵の具を溶き ガラスのうえに色を置いてゆく。
上昇する ターベンタインの匂い

芸術と云う世界を 自由に 散歩するように歩く。

降り立つ音
光り放つ色

目の前にひろがる情景は
この机上での出来事。

☆ターベンタイン… 松の樹脂を蒸留した揮発性油。油絵の具やワニスを溶くときに使用。
テレピン油とも。

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