2018-04

本との日々 - 2018.03.23 Fri

以前勤めていた小学校図書室の、図書ボランティアKさんから教えていただき
町田市民文学館ことばらんど へ。
レンガ造りの建物をはいると沢山の絵本、片隅には喫茶コーナーのカウンターとテーブル。
二階展示室への階段には

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“本は文明の旗だ、その旗は 当然美しくあらねばならない。”
          恩地孝四郎のことば。

『本をめぐる美術、美術になった本
 近代日本の装幀美本からブック・アートまで:1905-2004』
こぢんまりとした空間には作家の装幀に対する思い、ことばが散りばめられ
近代から現代へ、当時の本や原稿、装幀に使われた原画などが並ぶ。

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夏目漱石は自著のデザインには、かなり心を砕いていたようす。
小林秀雄の著書を装幀した青山二郎の、
大胆で繊細な原画に見入ってしまう。

アンケートに答えると文庫判ブックカバーが貰えるとのこと
橋口五葉・画『吾輩は猫である 下編』(夏目漱石著、1907年/大倉書店・服部書店)の
猫がモチーフのカバーをいただく。

勤務している図書館で、本の修理に関する研修に参加。
丸背上製本を分解し、造本の仕組みがわかるものを見せていただき、
実際に修理の手順や接着剤の扱いかたなど
きちんと教わるのは、はじめて。
練習にと、文庫本へブックコートフィルムをかける。
(ブックコートフィルムとは、本を保護するための透明なフィルムで
 図書館の蔵書などに、本全体をくるむようにかけられている)

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自室では、4月の作品展に並べる手製本の制作を進める。
手引き書を片手に、見よう見まね。
文字を組み立て フォントや紙を選ぶ
一から作り込む作業は楽しい。

ページと頁のあいだ、
薄い紙と紙との重なりには
見えない世界が 挟み込まれている。


― ふじくらみほ作品展 『星草(ほしくさ)』 ―
4月13~15日、20~22日まで 三番町ギャラリー(埼玉県川越市)にて




春、台所ノート - 2018.03.04 Sun

冬も終わりに近づき、日射しと風に春を感じながら台所に立つ。
糠床を混ぜ、米を研ぎ、野菜をごたこだたと鍋にいれる。

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母が料理好きで 仕事の傍ら 何でも手作りしてくれた。
あれこれ食べたいものをリクエストしては、当たり前のように美味しく食べていた。
時間があれば おやつも手製、一緒に母の手伝いをしながら台所に居るのは楽しい。

茶碗を拭き、冷蔵庫を開け閉め、覗きこむ鍋、吸い込む香り。
包丁のおと、湯気の行方、うつわのふれあう響きも心地好く。
流しの水は清らかで。

母方の 羊飼いだった祖父は新しもん好きで、何でも工夫して自分で作るひとだった。
自ら台所に立ち、家族に料理を振る舞ったと。

自分の知っている祖父は、自家製の温室に食虫植物やら、めずらしい植物を育てたり、
夏の終わり、品評会に向けて大輪の菊を育てる姿。
祖父を畑に見止める 真剣に土や植物と対峙している気配に、近寄りがたく。

母の昔ばなしで好きなのは、食べもののはなし。
とぉさんの作るチキンカレー(鶏を絞めるところから)、
とぉさんの果樹園(毎朝、子ども達に食べ頃のくだものを採りに行かせた)、
とぉさんがストーブの上で焼く羊肉(もちろん、とぉさん解体)、
とぉさんがお玉で作るカルメ焼き…

そのはなしを聞いていつだったか、お玉に水とザラメと重曹で作ってみた。
なかなかふくらまなくて苦心したけれど、上手くいくと愉快なお菓子。
じいちゃん、ばあちゃん、子どもだった母と、ふくよかな時間を共有したよう。

朝、母が小学校へ行くまえの仕事は山羊の乳搾りで。
一升瓶抱え山を越え、となりの牧場に牛乳を買いに行ったこと、
行商のひと、薬売り、牧場に住み着いた流れ者、
幼かった母が見た景色や生活。

暖かなこの日、
今年も市場で ふきのとうを見つけ、刻む香りの快さ。
つぼみの持っている全てを逃がさないよう、手早く火を入れ味噌を加える。
あしたのお弁当には、ふきのとう味噌と焼いたのとを少しずつ。

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:・・・・・さてと、
     陽が片向くまえに、デッサンのつづきを、少し。

さくら、春雨 - 2017.05.03 Wed

やっと桜が咲いたのに、雨や強風曇りが多くてハラハラする。
毎年4月の土日に「春の施設公開」があり、
雨が途切れた曇天、傘も持たずに自室を飛びだす。
昨年、すべての桜を植え替え、歩道と石垣も新調した段葛。
若木が満開。
わき道から大佛次郎茶亭へ。
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かやぶき屋根の平屋は、鎌倉市の景観重要建築物に指定されていて、
普段は黒板塀の透き間から、お庭をちらちら覗いたりしていた。
この茶亭は大佛次郎さんの書斎として、また文士の交流の場として使われていたと。
硝子ケースには遺品が並べられ、庭先から覗く。
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室内では高校生がお抹茶を点て振る舞う(三百円)。
通常の公開日ではお庭で野点、建物内にははいれないとのこと。
「きょうは雨なので特別に(お茶のかただけ)」と風致保存会のかたが説明してくださる。
雨が強く降りだし、ツアー客がドッとやって来たので移動。
こちらも長年気になっていた、旧華頂宮邸へ。
竹寺でおなじみ、観光客でごった返す報国寺を過ぎ、
眼鏡にかかる水滴を拭きふき歩き進む。
昭和4年、華頂博信公爵邸として建てられた洋館は、
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こちらも市の景観重要建築物に指定され、春秋のみの公開。
古いたてものが好きで、やっと念願叶った思い。
ドアノブ、壁紙、照明など手当たり次第カメラに収める。
お庭だけは月火以外の平日と土日に見学ができるとのこと。
もう少ししたら薔薇が見頃になるのかな。
帰りには、道すがら気になっていた杉本寺へ。
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鎌倉最古のお寺で、観音さまが祀ってある。
芸事の神さま、弁天さまも祀ってあり、手を合わせる。
傍らにはちいさな池。
雨粒と桜の花片が舞う。

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桜空 からだのなかを雨風花が吹き抜け 清々しい



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