2018-06

降り立つ音 光り放つ色 - 2018.06.16 Sat

満月を過ぎた雨降り、富良野の伯母から家庭菜園で育てたアスパラガスや葉物類、
チョコレートやチーズの固まりなど、こまごまと包まれて届く。
早速、台所に立ち
ほぼアスパラガスのパスタやら ただただ焼いただけ 料理とも云えない皿が並ぶ。

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雨の止み間、すぐ近くで鳴く うぐいすの大音声におどろく。

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『月ノ光』と云う名の作品集、小川紀美代さん演奏のバンドネオンを聴きながらの作業。
湿気った空気を軽くする、透きとおった音階は空へと通じる梯子
音の持つ 静かな熱とは バンドネオン特有のものなのか、
奏者を通しての温度なのか?
独学で奏でる音のはじまり、その楽器を選んだはじめの一歩とは、なんだろう?

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光りを内包するような色を求めて、手探りでガラス絵をはじめた。
油絵の具を溶き ガラスのうえに色を置いてゆく。
上昇する ターベンタインの匂い

芸術と云う世界を 自由に 散歩するように歩く。

降り立つ音
光り放つ色

目の前にひろがる情景は
この机上での出来事。

☆ターベンタイン… 松の樹脂を蒸留した揮発性油。油絵の具やワニスを溶くときに使用。
テレピン油とも。

本との日々 - 2018.03.23 Fri

以前勤めていた小学校図書室の、図書ボランティアKさんから教えていただき
町田市民文学館ことばらんど へ。
レンガ造りの建物をはいると沢山の絵本、片隅には喫茶コーナーのカウンターとテーブル。
二階展示室への階段には

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“本は文明の旗だ、その旗は 当然美しくあらねばならない。”
          恩地孝四郎のことば。

『本をめぐる美術、美術になった本
 近代日本の装幀美本からブック・アートまで:1905-2004』
こぢんまりとした空間には作家の装幀に対する思い、ことばが散りばめられ
近代から現代へ、当時の本や原稿、装幀に使われた原画などが並ぶ。

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夏目漱石は自著のデザインには、かなり心を砕いていたようす。
小林秀雄の著書を装幀した青山二郎の、
大胆で繊細な原画に見入ってしまう。

アンケートに答えると文庫判ブックカバーが貰えるとのこと
橋口五葉・画『吾輩は猫である 下編』(夏目漱石著、1907年/大倉書店・服部書店)の
猫がモチーフのカバーをいただく。

勤務している図書館で、本の修理に関する研修に参加。
丸背上製本を分解し、造本の仕組みがわかるものを見せていただき、
実際に修理の手順や接着剤の扱いかたなど
きちんと教わるのは、はじめて。
練習にと、文庫本へブックコートフィルムをかける。
(ブックコートフィルムとは、本を保護するための透明なフィルムで
 図書館の蔵書などに、本全体をくるむようにかけられている)

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自室では、4月の作品展に並べる手製本の制作を進める。
手引き書を片手に、見よう見まね。
文字を組み立て フォントや紙を選ぶ
一から作り込む作業は楽しい。

ページと頁のあいだ、
薄い紙と紙との重なりには
見えない世界が 挟み込まれている。


― ふじくらみほ作品展 『星草(ほしくさ)』 ―
4月13~15日、20~22日まで 三番町ギャラリー(埼玉県川越市)にて




春、台所ノート - 2018.03.04 Sun

冬も終わりに近づき、日射しと風に春を感じながら台所に立つ。
糠床を混ぜ、米を研ぎ、野菜をごたこだたと鍋にいれる。

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母が料理好きで 仕事の傍ら 何でも手作りしてくれた。
あれこれ食べたいものをリクエストしては、当たり前のように美味しく食べていた。
時間があれば おやつも手製、一緒に母の手伝いをしながら台所に居るのは楽しい。

茶碗を拭き、冷蔵庫を開け閉め、覗きこむ鍋、吸い込む香り。
包丁のおと、湯気の行方、うつわのふれあう響きも心地好く。
流しの水は清らかで。

母方の 羊飼いだった祖父は新しもん好きで、何でも工夫して自分で作るひとだった。
自ら台所に立ち、家族に料理を振る舞ったと。

自分の知っている祖父は、自家製の温室に食虫植物やら、めずらしい植物を育てたり、
夏の終わり、品評会に向けて大輪の菊を育てる姿。
祖父を畑に見止める 真剣に土や植物と対峙している気配に、近寄りがたく。

母の昔ばなしで好きなのは、食べもののはなし。
とぉさんの作るチキンカレー(鶏を絞めるところから)、
とぉさんの果樹園(毎朝、子ども達に食べ頃のくだものを採りに行かせた)、
とぉさんがストーブの上で焼く羊肉(もちろん、とぉさん解体)、
とぉさんがお玉で作るカルメ焼き…

そのはなしを聞いていつだったか、お玉に水とザラメと重曹で作ってみた。
なかなかふくらまなくて苦心したけれど、上手くいくと愉快なお菓子。
じいちゃん、ばあちゃん、子どもだった母と、ふくよかな時間を共有したよう。

朝、母が小学校へ行くまえの仕事は山羊の乳搾りで。
一升瓶抱え山を越え、となりの牧場に牛乳を買いに行ったこと、
行商のひと、薬売り、牧場に住み着いた流れ者、
幼かった母が見た景色や生活。

暖かなこの日、
今年も市場で ふきのとうを見つけ、刻む香りの快さ。
つぼみの持っている全てを逃がさないよう、手早く火を入れ味噌を加える。
あしたのお弁当には、ふきのとう味噌と焼いたのとを少しずつ。

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:・・・・・さてと、
     陽が片向くまえに、デッサンのつづきを、少し。

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